前回は棒ウキの仕組みを主に書いてきましたが、今回はウキ調整や合わせ方など堤防・波止での実際の釣りに役立つと思われる極める為のヒントをご紹介します。
まず、写真を見て下さい。
ボディ部分に水面がありますね。
ウキに「1号」と書いてあるので、そのまま「1号」のオモリをつけている場合などに起こる初心者の方に多く見られるウキの立ち方です。
ウキの浮力が勝っているために、少しのアタリではウキに反応がでません。
残念ながら、これではせっかくのあたりも見逃してしまうことになります。
理想的なウキの浮力は、エサをつけたときにウキの上部が少しでるぐらいで、エサをつけていない状態では次の写真のようなトップの下部が少し出る感じです。
小さなオモリをつけるか、トップが長いウキに変更するなどして、微調整することが必要です。(上の写真は浮力があっていない場合。下の写真は丁度良い状態)
いよいよ本題にはいりますが、釣り方で重要な5つのチェック項目をできるだけ分かりやすくご説明したいと思います。
1、ウキの流れ方を見て、水中のエサはどのような動きになっているかをイメージし、ハリスの太さと長さ、釣り針の大きさ、エサの付け方、エサの種類を選択する。(例:もともと貝は、海底の砂の中にいるものですから、中層に貝をつけてぶら下げて釣っても釣れないが、石ゴカイは、中層にも流されてくることがあるので釣れる。)
2、エサや釣り針の大きさは、目的の魚の習性や口サイズに合っているかどうかを見極める。(例:大きな口をした魚でも、小さいエサを好むことが良くある。山口県・萩の数十キロ以上のクロマグロ釣りの餌は、オキアミ1匹だけです。)
3、ウキがなじみ、魚がエサを加えた時にウキにアタリがでるようになっているかをチェックする。(例:一見ウキは普通に立っているが、水中ではハリスがたるんでおり、アタリがあってもウキに反応しない。)
4、魚のいるポイントに確実にエサが流れているかどうかをチェックする。(例:通常は潮上にウキが先に流れ、エサは少し後ろにあるが、2枚潮の場合は、逆になることもある。)
5、水深は魚のタナに合っているかどうかをチェックする。(例:海底は平らではないので、ウキの動きで海草や岩などにエサが当たっているなどで判断する。)
以上のチェックが終わると、最後に主な5通りのアタリの取り方です。
1、急にスッと勢いよくウキが消し込む。(アジ、カサゴ、フグなど)
2、最初はチョコンとウキが動き(前アタリ)、その後にジワジワとゆっくりと沈む。(チヌ、ハネ、太刀魚など)
3、海草にひっかっかたような感じでウキが寝る。(ボラなど)
4、ウキが持ち上げられたように上に上がる。(全般)
5、一見何も変わらないようだが、波の動きと少し動き方が違う。(全般。潮のリズムとどこか違った感じで合わせるので、かなり難しい)いずれも少しのタイミングで針がかりするかどうかが変わってきます。
ウキの動きだけでも食った魚の種類も慣れてくればある程度分かってくるようになりますが、実際に釣りをしてても、ウキにアタリが出て釣れるのは、通常1~2割りぐらいではないでしょうか?
ほとんどのあたりは、波や風などで分からないので、エサを取られてしまうだけのことがかなり多いのです。
まだまだ歴史も浅い「棒ウキ」の釣りは、これからもまだまだ進化することと思われますが、今のアタリは、魚がどのような動きからきたのだろうか?など、自由な創造力で「棒ウキ釣り」楽しんでいただければ幸いです。
筆者にとっても「棒ウキ」を極めるのは、永遠の課題ですが、いろいろな可能性を秘めており、奥が深く本当に楽しい釣りです。(仕掛け図は、神戸市立須磨・平磯海づり公園より)